はじめに
僕が受ける質問の中で最もよく聞かれるのが以下のような質問です。
「この曲(フレーズ)のコツはありますか?」
「上手く弾けないのですがコツを教えて下さい」
実はこの質問が一番「どう回答しようかなあ...」と考え込みます。(笑)
それについて動画を過去に上げていますが同じような質問が絶えないので文字にして伝えたいなと思います。
なぜ回答に悩むのか、ざっくり例えてみます。
「数学が苦手なのですがどうしたらいいですか?」
この質問が返答しにくいの分かりますか?こんな質問を受けているのと同じですね。
質問がざっくりしすぎてて、
「ん〜...毎日勉強しよう!」
としか言えないですよね。
それに、これって皆さんがほしい回答じゃないですよね?(笑)
期待に応えられるアドバイスもしたいし、とはいえできないし…どうしよう!!!
ってなってますいつも。(笑)
でも、もし
「数学の確率の問題で特にサイコロ使った問題が苦手で…」
って具体的に質問されればそのことについて説明できますよね。
例えだけではピンとこない方も多いと思うので、
この記事ではまず「コツ」って何だろう?っていうとこから考えて、
最終的に自分で自分なりの練習方法を探せるようになってほしいなと思います。
①「コツ」とは?
僕が考えている皆さんの言う「コツ」って、
「教えてもらったらあっという間に弾けるようになった!」
って感じの魔法のアドバイスを意味しているのではないでしょうか?
確かに、そういう時もあります。
「この弾き方だと絶対あそこで弾きづらいよなー。もう少し右手の動きをこうすれば弾けるのに…」
ってね。
でもこれって前提として、
ほぼ自分で弾ける実力があって、あと一歩の人に限ります。だからコツがあるんですよね。
例えばこんな場合はどうでしょうか。
「ギター始めて1週間ですが、RADWIMPSが弾けません!コツはありますか?」
さすがに、コツはないです。(笑)
っていうかコツどうこうじゃないですよね。
僕自身ギターを始めてからFのコードとか含めて大体弾けるようになるのに半年くらいかかりました。(多分遅い方です)
先ほどの例は極端ですが、大抵の人が言うコツってこのパターンが多いんです。
ただし、どんなことにも共通していえますが、
ある程度「順序」があります。
勉強でも、基本問題→応用問題→実践問題ってやるはずです。
実践からやる人はいないはずです。
ギターの場合、始めてすぐに好きなバンドの曲のTABを見て練習するということは、実践問題からやり始めているのと同じです。
こうやってすっ飛ばしてしまうと、いくらコツが知りたいとなっても解決できるような答えは見つからないはずです。
でもちゃんと基本問題からやってきた人が応用問題でつまづいた時にはきっと「コツ」というものはあるんじゃないかなと思います。
ですので、コツって言うのは弾き手によってあるかないかも変わるし、
弾き手の人の演奏を見なければ、どれくらい出来てて何がいけないのかが分からないので当然アドバイスは出来ません。
アドバイスを求める方に僕が動画を送ってくださいとお願いするのはこういうことです。
僕が質問された方の何がいけないのか理解してないのに適当なアドバイスをするというのは
僕のポリシーが許さないんです。(笑)それに皆さんのためにもならないと思っています!
なので、僕宛に何かTwitter等で質問された時に
「弾いた動画を送ってください!」ということにご理解頂ければと思います(笑)
②自分が苦手なことを理解する
また、誰かに質問するとかしないとかではなく、
「コツないかなあ?」
って自分自身で考えることが大事です。
先ほどの例みたいに、自分自身が
「何で今この曲(フレーズ)が弾けないんだろう?」って考えてみてください。
「ピッキングが苦手」
なのか
「左手の指が動かない」
なのか、あるいは
「そもそも今の自分がチャレンジすべき曲ではない…?」
とかね。
具体的に自分の苦手なことを自分で理解することが大切です。
苦手なことが理解できている人はそれを克服するための「教本」を探しにいったりもできますよね。自分で解決する力がつくはずです。
「ピッキングが苦手だからピッキングの教本を見に行こう」
「ストロークが苦手だからストロークについての解説を探そう」
こんな感じでピンポイントに探せますよね。
そして、冒頭の例えのように、
自分が苦手なことを自分で理解できている人は質問も的確になるはずです。
きっと自身がほしい答えっていうのが返ってくると思いますよ。
勉強でもスポーツでも同じですが、
「自分の苦手なことを理解して、それを克服するための練習をする」
この考え方は大切なので、まず自分自身を客観的に見てみてください。
しかし、
とはいえ自分の何がいけなくて弾けてないのかもわからないという人もいると思います。
「どんな練習をすれば良いのかわからない」
っていう人は多いと思います。
何もかも分からない人もいると思うので、別の記事で参考にしてみてください。
③自分なりの練習方法を見つける
自分なりの練習方法を探すって、
「どういうこと?」
って思うかもしれませんが、僕が言いたいのは
最終的に自分の力で上手くいかない時の壁を乗り越えられるようになってほしいということです。
誰かに分からないことを質問することは大切ですが、
それ以上に自分で解決できるようになってほしいんです。
なぜかというと、
人に言われたことが全て為になるとは限らないからです。
元々のレベルも異なれば練習方法や練習時間も異なります。
人によって上手くなるためのアドバイスは変わりますし、
それがその弾き手の皆さんに合わない練習だったら意味がありません。
例えば僕が実際にやっていたのは、速弾きの練習をどうしたらよいか考えていました。
ピッキングを速くするためにはピックの先端で弦を弾かないといけないからピックを削って先端でしか弾けないようにして練習しました。
テンポが1〜3弦をまたいだり交互に弾いたりする速弾きを弾く前に、そもそも1つの弦だけでもテンポが追いつかなかったのでまずは1つの弦だけを使った速弾きのフレーズから始めて、メトロノームを使って目標のテンポに少しずつ慣らしていきました。
速弾き以外にも、左手の指がバタつくので動きを抑える運動をしようと考えたりもしました。
どこにも教本にも書いてなかったものですが、自分に足りないものを見つけて自分で考えた自分なりの方法だったので成果を感じた時にはやっぱり充実感は非常にありました。(笑)
「友達にこれやった方が良いって言われたのですが、どうでしょうか?」
じゃなくて、
「今自分にはこういう練習が必要だからこれは毎日やる!」
みたいに自分なりの練習方法を見つけて継続できるともっともっと上達できるんじゃないかなあと思います。
これは勉強でもスポーツでも仕事でも何でも言えることだと思います。
まとめ
長々と書いてしまったのでまとめたいと思います。
コツは弾く人のレベルによってはあるかもしれないし、ないかもしれない。そもそもレベルが違いすぎてたら別のことから練習しないといけないからね。だからこそ誰かに質問する時には必ず演奏した動画なり見せないと的確なアドバイスはもらえないよってこと。
また、その前に自分が何で上手く弾けないのか考えてみよう。それが分かれば自分なりにやらなきゃいけない練習が見えてきますよってこと。質問する時にもピンポイントに回答が返ってくるから自分のためにもなるはずだよってこと。
最後に、周りに言われたことだけが正しい練習とは限らないから自分なりの練習方法を見つけてほしいってこと。自分でやらなきゃいけないことを自分で把握して自分で練習することができれば、またギターの壁にぶつかってもきっと乗り越えられるよってこと。
頭の隅に入れて毎日の練習頑張っていきましょうね!